暗号通貨の価格を安定させるためには
Bitcoinが80万を突破して、どこまで伸びるのか、という雰囲気になっています。とはいえ、暗号"通貨”という名前にしてはあまりにも安定しておらず、どちらかと言えば金融商品になってしまっている印象です。ではどうすれば、暗号通貨は安定した価格になるのでしょうか?現実の例を参照に3つの方法を考えてみましょう。
1.ペッグ通貨
”peg”とは英語で、『釘を打つ』という意味です。GoogleMapの彼もペグマンという名前です。
ペッグ通貨は、釘を打ったように、2国間の為替レートを固定する方法で価格を安定させた通貨のことです。たとえば、アメリカドル/人民元やアメリカドル/香港ドルなどがあります。一般的に経済基盤や情勢が不安定な国が通貨の安定化のために行っています。*1
これに見習おうとしている暗号通貨はすでにあり、ドルと固定相場を取っている通貨は、Tetherがあります。
また将来的な計画として、みずほ・ゆうちょ・地銀が主体のJコインや三菱UFJが主体のMUFGコインが日本円と固定相場を取る予定です。
一件安定したいい暗号通貨に思えます。しかし、これらの通貨には一定のリスクがあります。電子マネーと同じく、運営母体の資金に左右されるためです。運営母体の資金が無くなってしまえば、固定相場を担保している根拠がなくなってしまいます。
2.本位制
ニクソンショックまでは、現実の通貨は、古来から価値があるとされてきた金と額に応じた量に交換ができていました。これを金本位制と呼びます。*2現実の通貨も元来は、別の価値がある物と等価に交換できたため、通貨として認められた経緯があります。これの歴史的な動きを暗号通貨で再現することはで、暗号通貨の価格を安定させることができるはずです。現在、金も変動相場制であり、安定した価値になり得るものがなかなかないです。例えば、石油やビックマックのように広い国で売買されている商品に対し、一定のレートで交換できる暗号通貨が出現すれば安定した価格になるかもしれません。先日これが実現できる可能性が(薄くても)ある暗号通貨のICOがありました。それはDragonchainです。
Dragonchainの応用例にTicketというのが表記されています。もし、DRGNが一定のディズニーランドのチケットと交換できると発表されたなら、おそらくその価格でDRGNの価格は安定するでしょう。ディズニーランドのチケットの価値は広く認められていますし、ディズニー本社は、価格が安定するまでの間、安定してディズニーランドを運営する能力はありそうです。(注:DRGNが一定のディズニーランドのチケットと交換できるというのは公式アナウンスされていません。妄想にもとづいています。)
3.喜捨
なぜいきなり宗教用語が飛び出すのだ、という疑問がありますが、この手法を実現させるにはある種宗教的なカリスマ性が必要だと考えているからです。
ある暗号通貨が購入者全員が現実の通貨と等価だと信じ購入し、販売元が集めた通貨すべてを跡形もなく燃やした場合を考えてみましょう。そうすると、すくなくとも購入者間のやりとりでは、現実の通貨と等価な訳なのでその価格は安定するでしょう。しかも、ペッグ通貨とは違い、資本金がなくなることによる信用不安は起こり得ないからです。問題はそんなことをする販売元がいるかどうかです。私が、これにもっとも近いと思っている暗号通貨があります。それは、Unkoinです。
販売元が90%を寄付に回すことを公言している暗号通貨です。1Ether=1000Unkと固定されているのも特徴で、ICOが終了し寄付が完了すれば、もしかすると安定した相場になる可能性を秘めています。(問題は、所謂ジョークコインなので、ICO参加者が等価の価値を持っていると思っていない点なのですが。。。笑)
以上、暗号通貨の価格を安定させる3つの方法でした。
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法定通貨とBitcoinとの比較
法定通貨と暗号通貨の代表格、Bitcoinを比較してみた。*1
法定通貨(Fiat) | Bitcoin | |
何が価値として 認められているか? |
法律・政府の財務力・政治力・軍事力 (金本位制から移行したという伝統) |
数学的なルールによって、 台帳を分散的に処理できる点 |
誰が運営しているのか? | 政府・中央銀行 (中央集権型) |
マイナーとよばれる台帳を 処理している参加者全員 (分散型) |
不正を防ぐ手立ては? | ・複製が困難な紙幣・硬貨の使用 ・複製したときの刑罰 |
不正な台帳が処理された場合、 他のマイナーに承認されない |
通貨供給量を 操作する方法は? |
増やす:中央銀行による債権の購入 中央銀行の金利を下げる 減らす:中央銀行による債権の販売 中央銀行の金利を上げる |
増やす:分散処理を行ったことに 対する報酬 減らす:なし |
比較すると法定通貨の最大の利点って"法が認めている"ということで、それ以外は結構いい勝負に思えます。また通貨供給の操作について考えると、Bitcoinは金を模してデザインしているように感じました。
*1:学問的なバックグラウンドがない私はこのように理解しています、という記事です。ご指摘があれば、コメントまで。
BingでBitcoinのチャートが見れるようになっていた
現在の検索のトップシェアはGoogle。
では、2位はどこか。日本国内ではYahoo!だが、海外ではBingらしい。
Bingとは、Microsoftが提供する検索エンジンである。平たく言えば、InternetExplorerのURL欄にキーワードを入れると、飛ばされるあの検索である。個人的にはGoogleに似ているだけでいまいちパッとしない検索エンジンかと思っていた。
ほんの出来心で会社でビットコインのチャートを検索したところ、意外なことに気がついた。
ご覧の通り、BingでBitcoinのチャートがみれるようになっている。
ちなみに、Googleでは見れない。(2017年10月27日現在)
Fiatの相場は、普通でてくる。
MicrosoftとGoogleの仮想通貨へのスタンスが垣間見れる一コマ。
「UNKOIN」が世界を変える(かもしれない)理由
UNKOINとは、2017年10月22日現在ICO中のトークンである。
公式HPによると、UNKOINは次のようなコンセプトのようだ。
UNKOIN(ウンコイン)とは
UNKOINはあなたのデジタル活動やデジタル財産に運をもたらす、世界初のお守りトークンです。オンライントレードの成功やデジタル機器の故障防止などデジタル全般に対してブロックチェーンの技術を用いて、運を付与します。
昔から「人事を尽くして天命を待つ」とよく言ったもので、あらゆる活動で最後に必要になってくるのが運である。もともと運は神による中央集権的管理が一般的であった。しかし、現在の通信技術であれば、運そのものもcyptocurrencyで取り扱うことができるとUNKOINは主張している。なんともにわかには信じられない。しかし、ビットコインが登場する以前は、中央集権によらず通貨を管理することも不可能だと(一般的に)考えられていた。ビットコインが金銭的価値を持つ現在、運の非中央管理も不可能だと誰が言えるのだろうか。詳しいホワイトペーパーの開示が待ち望まれる。
と、ここまで悪ノリをしてみた。
実際のところ、ジョークで作られているEthereumのTokenである。しかし、こんな構想のTokenが実際に売れている。その理由は、調達資金の使用目的にある。
UNKOIN基金
UNKOINと引き換えに提供されたEthereumは、子供達の運を上げるための寄付に利用されます。寄付先は主に日本全国の児童養護施設とそれらを支援する団体となります。寄付先についてはUNKOIN基金に委ねられることになりますが、twitterでの報告およびEthereumのトレースで完全な透明性を担保します。すなわち、寄付を受ける側には受け入れ用Ethereumアドレスの公開を義務付けます。なお、UNKOIN基金の責任は正しい施設・団体に寄付をするところまでとなり、実施する寄付後の各施設の利用方法については各施設の報告に委ねられることになります。集まったEthreumのうち、10%は運営費に、90%は寄付に用いられます。UNKOINは精神的、経済的に余裕のある匿名の大人達によって運営されています。
出資した人間は、この構想が「面白い」と思って出資したのである。私はこの構想には人々を引きつける点が2つあると考えている。
1.購入した金額がほとんど寄付金に回る
UNKOINは赤い羽根募金の赤い羽根がToken化したものと言える。だからなんなんだという話だが、正直どうなるかわからない。家庭用ゲーム機のトロフィーの現実版になったらそれはそれで面白いし、金銭的な価値を持ったら持ったで面白い。
2.寄付を受ける側のアドレスの公開を義務付け
”寄付金は正しく使われるのだろうか”という心配は、意外と心理的障壁になる。少なくとも私はそうだし、20時間超えテレビへの感想や、○○ちゃんを救う会への批判をインターネットでみるとどうやら私だけではないようだ。しかし、UNKOINでは暗号通貨の特性を活かし寄付後の動きまで追跡することで、この心理的障壁を減らしている。また、副次効果として暗号通貨の良い面を社会的に周知する可能性がある。
こういったわけで、私は(もしかしたら)UNKOINのコンセプトが世界を変える(かもしれない)と思っているのである。